麻雀競技について考察していくと、やはり和了以外に点数が行き来するのはいかがなものかと思ってしまうのです。
和了以外に点数が行き来するケースは以下の3つになります。(ローカルルールは除く)
①ノーテン罰符
②積み場
③リーチ料
①については賛否両論あると思いますが、打ち手の技量を示すという観点において、点数移動しなくても評価する方法はあるので、<罰符>という形に囚われる必要はないように思います。
競技と遊戯の麻雀に一線を引く意味においても、テンパイしたことに対するご褒美は、連荘有りルール下であれば、それで(連荘できること)十分ではないかと考えます。
親の和了が無ければ連荘できないルールや、そもそも連荘無しの8局or16局制のルールにおいて、もはやノーテン罰符なるものは無用の長物と言っていいでしょう。
テンパイしているからという理由だけで、時として和了点を上回る点数が移動してしまうのは、麻雀競技としては違和感以外の何物でもないのです。
②の積み場についても①同様に無用の長物とすべき慣習かと思われます。
1本積むごとに300点増えていく意味は果たしてどこにあるのでしょうか?
楽しみが増えるからとか面白くなるからとか、遊戯的な発想から生まれたとしか思えません。
巷では1本積むごとに1500点増えるルールも存在しますし、けっこうそれがスリリングでゲーム性を促進するような効果もあるので、遊戯的には残しておいた方がいい制度かもしれません。
オーラスになって、積み場が増えていけば逆転条件が生まれてしまう制度は、競技とは対極に位置する発想でしかなく、即刻撤廃とすべき悪しき慣習と断じていいでしょう。
オーラスを迎えての点数状況が
東家 7500
南家 35800
西家 46000
北家 30700
こうなっているとき
南家とトップ目西家との差 10200点
北家とトップ目西家との差 15300点
北家と2番手 南家との差 5100点
このままでいくとそれぞれの逆転ツモ条件は
南家、ハネマンツモでトップへ
北家、倍満ツモでトップへ
北家、1300・2600ツモで2番手へ
となります。
ところが積み場があると、親の連荘を後押しするだけで、1本場になればがらりと逆転条件が緩和されるのです。
南家、マンガンツモでトップへ
北家、ハネマンツモでトップへ
北家、1000・2000ツモで2番手へ
となります。
積み場ひとつで逆転条件が変わっていくことにこそ、勝負の面白さや醍醐味を見出せるという考え方が主流でしたが、麻雀競技の本質というか根本から外れていることを今一度見つめ直して欲しい、そう考えています。
堅い話に聞こえるかもしれませんが、麻雀競技を考えるとき、点数の移動が和了点以外に起きていいのだろうか?
慣習だからという理由だけで見過ぎしていていいのだろうか?
競技ルールと遊戯ルールを混同していないだろうか?
そんな疑問を持ち続けています。
③のリーチ料について。
競技中、当たり前のようにリーチ料千点を移動させています。
リーチをかけた人が和了すれば、そのリーチ料は戻ってきますが、他家がそのリーチを蹴って和了すると、そのリーチ料は和了した他家の収入となります。
リーチが和了に至らず流局した場合は、そのリーチ料は供託となり、次に和了した人の収入になるという仕組みになっています。
和了点プラスリーチ料が加算されてしますこの仕組み、やはり改正したほうがいいのではないでしょうか。
日本人は保守的だとよく言われています。
古いものを大切にする、慣習を守っていくという考え方は私も好きであり、自分自身、日本人の典型だなという自覚もあります。
しかしながら、こと麻雀競技に関しては、あまりにも競技とは言い難い決め事が多く、遊戯として親しまれてきた習慣から抜け出せないでいる違和感があります。
リーチ料の授受を廃止しませんか!
その改正案は以下の通りとします。
(一) リーチ料は、リーチ者が和了したときのみ自身の点数に戻せる
(二) リーチ料は、リーチ者が和了できなかった場合、卓外に供出する
(三) リーチ者が和了できなかったリーチ料、他家が和了してもその収入とはならない
つまり、リーチ料は、リーチ者が和了しないかぎり、必ず卓外に供出するという改正案を提案しておきます。
実はもっと過激な改正案も用意しておりまして、それはリーチ料そのものを撤廃するというものです。
これはノーテン罰符にも通じる話なのですが、点数は発生させずにその証しは残そうという仕組みで、たとえばリーチ時には、リーチマークを出し、そのリーチマークを卓外に供出しておくのです。
リーチにはリーチ料が発生するという慣習、流局時にはノーテン罰符が発生するという慣習を撤廃することによって、麻雀競技がより競技的になると思っています。
ましてや、積み場でオマケが付いてくるなどという遊戯的な慣習は、早い時期に撤廃すべきものではないでしょうか。