競技一筋45年 第13回 「愛好者向けの競技を考える」

 麻雀競技が楽しくて仕方ないと思っている愛好者は、私が想定している数より遙かに多いような気がしています。

 なぜなら、Mリーグの好影響もあり、「麻雀って面白そう」「やってみたいなぁ」という動機から、「覚えてみようかな」「やってみよう!」というアクティブな取り組みへと変化していくからです。

 そして仲間同士が教室などのコミュニティへ参加し、麻雀遊戯を始めるのです。

 そうこうしているうちに、もっと上達したくなったり、もっと違う人たちと打ってみたくなり、知り合いの催す大会や、教室同士の大会などに足を運んでいくようになります。

 もちろん、そこまではちょっと怖いかなと思う期間もあるのが普通で、1年また1年と経験を重ねていくと、「参加してみようかな」という衝動に駆られていくのです。

 

 プライベートな麻雀大会は麻雀競技とは呼べないなどと野暮なことは言わないでくださいネ。

 初心者から初級者になって、いつもとは違う空気の中でする麻雀大会。

 そこには初級者プラス経験を積んだ中級者も含まれているかもしれません。

 さて、ここでQをひとつ。

 この段階における麻雀競技の成績評価法として適しているのはどんなものでしょうか?

 色々な答えが出てくることでしょう。

 

 私は麻雀教室の運営を40年ほどやってきておりますので、初級者向きの麻雀競技も試行錯誤してやってきました。

 そこで出せた結論はいたってシンプルで、回戦数にかかわらず、持ち点をそのまま成績表に記入していき、その合計点で勝敗を競うという競技が適しているように思います。

 競技好きの人には<順位点>の無い競技は、「クリープのないコーヒー」のように感じてしまうかもしれませんが、初級者にはブラックコーヒーからのオススメがいいようです。

 まずはシンプルに競技の楽しさを知っていただくことが大事なのではないでしょうか。

 で、次の段階、中級者になった方たちを対象にした競技では、トップ賞(8千点でも1万点でもかまいません)だけを最終持ち点に加算する成績評価がよろしいかと。

 競技の目標のひとつは優勝することですから、各回の卓内の優勝者(トップ者)にボーナスポイントを付加するという評価法は、受け入れやすいものなのではないでしょうか。

 

 更にキャリアを積んだ方々が大会に参加してきたとき、その中~上級者向けには、トップ賞と同等のラスペナルティーに相当するマイナス評価(△8千点でも△1万点でもかまいません)を加算する成績評価がよろしいかと。

 成績評価の方法にも、そのキャリアやレベルによって使い分けしていくことが肝要で、画一的ではないシステムを運用していくことが主催者には求められているのです。

 

 では全着順にその順位に則した成績評価をする大会とは?

 本音を言えば、2位とか3位にまでその順位に則した順位点を設けることに賛意は表明しかねるところがあります。

 ひとつでも順位を上げることに価値を見つける思考が好きではないからかもしれません。

 ただ、成績評価するならば、トップにだけその評価点をボーナスとして付加するシステムが競技の原点と言えるのではないでしょうか。

 

 競技における成績評価については、第9回でも書かせていただいてますが、その内容は競技上級者あるいはプロ競技者向けのものでしたから、今回は純然たるアマ競技についての意見を述べさせていただきました。

 更に補足しておきますと、仲間同士で長期のリーグ戦を催す場合についての話をしておきます。

 

 リーグ戦というのは、固定メンバーである程度の回数をこなし、その優劣を競い、複数のリーグに分けて昇降級を繰り返していくシステムでの競技を意味します。

 このリーグ戦を行う際の理想的なシステムを以下に記しておきます。

 

 初期は16人もしくは32人で開催します。

 回戦数は5の倍数に必ずします。

 ある程度長目に打ちたいでしょうから、20回戦か25回戦か30回戦がいいでしょう。

 1日の打荘数は理想が5回戦。

 なぜなら、16人で5回戦打つと、必ず均等に全員と対戦できるからです。

 これを1節とすれば、4節で20回戦、5節で25回戦、6節で30回戦となります。

 1節3回戦での開催となると、5節15回戦消化時点で、全員と3回ずつ対戦できます。

 この対戦数で物足りない場合は、全10節30回戦とすれば、全員と6回ずつ対戦できます。

 では常識的な(疲労度などを加味して)1日4回戦での開催となりますと、5節20回戦で各4回ずつ、10節40回戦で各8回ずつ全員と対戦できることになります。

 

 私のリーグ戦へのこだわりは、全員と均等に対戦できること。このこだわりなしにはリーグ戦と呼べないとすら思っています。

 

 ですから1リーグは16人で催行し、昇降級で2名ずつと決めておくのです。

 そして優勝者もディフェンディング制を敷くことなく、新しい期もトップリーグで戦うところにリーグ戦の意味があるのです。

 リーグ戦を戦ったうえで、優勝者決定戦を行うことには疑問があり、そのために長期間のリーグ戦を戦い、リーグに在籍するメンバー全員と均等に対戦する意味があるのです。

 

 リーグ戦の理想は各リーグ16人。A・B・C・Dの4リーグ64人がリーグ戦参加選手と規定し、Dリーグへの昇級者2名は、リーグ戦と同じ回戦数の対局を経て決定する(子の対局のシステムは別途定める)

 

 第1期のリーグがA・Bに分かれる32人参加の場合は、32人参加の1日5回戦の大会を4日間開催して振るい分けをするものと定める。

 

 こう書いていると、いつの日かこの理想に沿った愛好者向けのプライベートリーグを開催したくなってきました。