競技一筋45年 第8回「手役規程を見直そう」

土田浩翔の「競技一筋45年」

 手役は麻雀競技を考えるうえで、とてつもなく大きな存在だと思っています。

 にもかかわらず、昭和の時代から現代に至るまで、なぜか手役及び翻数についての議論が活発になることなく、見直しを図る機運すら無い状況を憂いています。

 憂いているだけでは埒があかないので、手役規程の見直しと、それに付随する翻数の見直しを提案してみたいと思います。

 まずは現状の整理整頓から、

〔メンゼン1翻役〕   〔縛りのない1翻役〕

  リーチ          タンヤオ

  ピンフ          ハイテイ(海底摸月)

  メンゼンツモ       ホーテイ(河底摸月)

(A)イーペーコー        リンシャンカイホー

                 チャンカン

 

〔メンゼン2翻役〕   〔縛りのない2翻役〕

    七対子           トイトイ

    ダブルリーチ         三暗刻

              (C)混老頭

〔喰い下がり2翻役〕     (D)三色同刻

    三色同順          (E)三槓子

    一気通貫

(B)チャンタ   

 

〔メンゼン3翻役〕    〔喰い下がり3翻役〕

(F)リャンペーコー      混一色

             (G)純チャンタ

 

〔縛りのない4翻役〕   〔喰い下がり6翻役〕

(H)小三元          清一色

 

〔メンゼン役満〕     〔縛りのない役満〕

    四暗刻           大三元

    国士無双        (J)小四喜

(I)九蓮宝燈                        (K)大四喜

    天和            緑一色

    地和            字一色

(L)清老頭

(M)四槓子

※便宜的に見直しを提案する手役にはアルファベットを付けてあります。

 

(A)イーペーコー

 この手役を1翻役にしておくのはいかがなものかと思います。 

 難易度を考えると2翻役が妥当で、ゲーム性の幅を広げるために〔喰い下がり役〕としたほうがよいのではないでしょうか。

提案 メンゼン1翻役→喰い下がり2翻役

 

(B)チャンタ

 赤入りルール全盛のいま、この手役を狙う打ち手は激減しています。

 赤を含む456を不使用とする手役の価値をアップさせたほうが競技性が増すと思われます。

提案 喰い下がり2翻役→喰い下がり3翻役

 

(C) 混老頭(ホンロートー)

 これも難易度に則した翻数になっているとは言い難く、1翻アップさせたほうがよいでしょう。

提案 縛りのない2翻役→縛りのない3翻役

 

(D)三色同刻

 年に何度もお目にかかれない稀少価値の高い手役ゆえ、思いきった変更が求められます。

提案 縛りのない2翻役→縛りのない4翻役

 

(E)三槓子

 この手役、生涯何度目にすることがありますか?

 もっとこの手役に光を当てたほうが、スリリングな競技が増えるのではないでしょうか。

 そのためには、翻数の大幅アップが望まれます。

提案 縛りのない2翻役→縛りのない6翻役

 

(F)リャンペーコー

 (A)で説明したように、難易度を考えると現状の3翻は妥当ではなく、メンゼン役に縛るのも適してないように思えます。

提案 メンゼン3翻役→喰い下がり4翻役

 

(G)純チャンタ

 (B)で説明したように、赤入りルール全盛期の現代であればこそ、翻数のアップは必須かと思われます。

提案 喰い下がり3翻役→喰い下がり4翻役

 

(H)小三元

 けっこう目にしているように見えるかもしれませんが、誰の目にも分かりやすい手役ゆえ、難役の仲間として異彩を放ちます。

提案 縛りのない4翻役→縛りのない6翻役

 

(I) 九蓮宝燈(チュウレンポート―)

 そもそもが9メン待ちのみが役満だったはずが、完成すればOKとなった経緯があり、本来の価値も回復させたいものです。

 また数ある役満の中でも、稀少価値は高く現評価をアップさせても異存はないはずです。

提案 4倍満→1ヶ所待ちは5倍満

        9メン待ちの純正は6倍満

 

(J)小四喜 (K)大四喜(ダイスーシー)

 小四喜と大四喜を総称して四喜和(スーシーホー)とひとくくりにする団体もありますが、一般的には分けて評価しています。

 ところが、その難易度にも違いがあるにもかかわらず、同評価としている団体が多く不思議でなりません。

提案 4倍満→小四喜は4倍満

        大四喜は5倍満

 

(L) 清老頭

 字一色は7種類で構成され、この清老頭は6種類での構成です。

 しかも字一色には七対子が使えるのに、清老頭にはその道がありません(編注:6種だから)。

 誰の目にもその難易度の違いは理解できるはずです。

提案 4倍満→5倍満

 

(M)四槓子

 この役満は、誰かがアガったシーンすら生涯見られない、手役の神様みたいな存在です。

 ですから他の役満とは比較にならないほどの価値を付けておくべきかと考えます。

提案 4倍満→8倍満

 

 いかがでしょうか。

 これらの提案が正しいものかどうかは議論に委ねることになりますが、少なくとも現行の手役規程のままでよいのか? という疑問を抱いていただければ嬉しいかぎりです。