マージャン競技を考える 第9回 「連荘不採用①」

 今回は連荘を考えてみます。

 荘とは親を表す漢字で、連荘は親を続けることを指します。

 ポピュラーなルールは、親がテンパイをしていれば続けることができるというもので、101ではアガったときのみ連荘ができます。

 このルールがどういう影響を及ぼすか。

 ひとつは自分の親番をどう生かすかという戦術が発生します。

 得点は子の1.5倍なので、大抵の場合、連荘をすればするほどゲームを有利に運べます。

 

 その逆に、相手の親番をどうしのぐか、または潰すかという戦術も発生します。

 一番わかりやすい例は、親と子で2軒リーチがかかり自分の手牌に共通安全牌がない場合、親の安全牌を切る、でしょうか。

 また、タイトル戦のトータルトップ者がこれ以上加点しないために、下位者の子方が連携してゲームを回す(わざと食わせてアガらせてしまう)といったケースもあります。

 以上のように、連荘というルールがあることによって、様々なゲーム性が生まれていることは間違いありません。

 

 では、相手の親番をどう生かすか、という戦術はあり得るでしょうか。

 実はあり得るのです。

連荘ありでなぜゲームが歪むのか

 タイトル戦の終盤、あるいは最終局、追いかける下位者にはできるだけチャンス(残りの局数)が多くなくてはなりません。

 ですので、わざと親に連荘させて局数を増やしにかかります。

 一番わかりやすい例は、タイトル戦の最終局です。

 下位者の親と首位者の子がリーチ合戦をしたとして、残りの二人はのんびりと勝負の行方を眺めているのではなく、すぐに親に差込み(わざと放銃すること)にいかなくてはなりません。

 本来親は子方三人に締めつけられて連荘が難しいはずが、バラエティーのクイズ番組で突然得点が極大化するように、いきなり連荘やアガリが容易になるのです。

 いやむしろ、「多少アガってもいいので、絶対連荘してください!」と縋りつかれているような状況といって良いでしょう。

 これで、TV番組をナンセンスと嗤うことができるでしょうか。

 例えば協会の場合、役満の複合がありなのでトリプル役満直撃、かつトップラス逆転の352Pが逆転(正しくは同点)の理論値になります。

 また、親とは176P差まで下にいくことができるので、かなりの余裕があります。

 ただ、裏ドラありのルールでは値段を正確に読み切ることはできませんので、思わぬ大物手を食らい、結果親を押し上げ過ぎてしまうということも十分に起こり得るでしょう。

 

 こう考えると、最終戦のラス親がいかに有利かがお分かりかと思います。

 ちなみに連盟では、最終戦の座順はサイコロで決めるのではなく、最終戦を迎えた持ちポイントの少ない順に起家(東1局の東家)から座っていきます。

 オーラスを迎えた時点でも、親がトータルトップを維持しているかはわかりませんが、少しでもゲームの歪みを防ごうという発想に見えて、筆者は高く評価するところではあります。

 が、筆者の結論は「連荘はなくす」です。

 理由の二つめは次回で。